1999回想記

1900年代最後の年は希望と挫折の繰り返しだったような気がする。
まずクリスタルオワナイトの1stCDが1月に発売されたが、このCDも前の年に出る予定だったが、印刷関係のミスで発売が延びてしまった。
それがなんと運命の悪戯か発売日が1月31日になって、我々モアイレコードの精神とも言うべきジャイアント馬場さんが急遽してしまった日と重なった。
それから1ヶ月、我々は全く仕事につけなかった。そして出た結論が「馬場さんの精神を受け継ごうよ」と言う事だった。決して人を裏切るような事はせず、他に誠実に己に忠実に。それが11月に行われる事になるG-ROCKへとつながるのだが。その時はただ漠然と「馬場イズム継承」だった。
まず僕らがやった事はレコードマップというとてもマニアックな分厚い本を買い、そこに書いてあるヘビィメタル、インディーズ系をピックアップし、どこにCDを置いてもらうか考えた。
出だしは凄かった。マクベスの音彦君と新宿のデスクヘブンへ行って、いきなり50枚置いてもらう。ここは名古屋と大阪にも店があり、いきなり50枚でたもんだから「この先どうする〜?」という嬉しい悲鳴を1人トイレの中で上げていたのだが、それからは新宿レコードに10枚、デスクウェーブ横浜に5枚、とジリ貧状態で何しろメタル系に力を入れている店のあまりに少ない事に絶望感を味わった。重いCDを背負って歩き回り、どこも置いてもらえずそのまま帰りの道に付く時の重い事、(逆にCD買って増えたりなんかして)
ほんと泰輔君の気持ちが少しわかったような気がしたよ。
目黒のサードステージは良かった。店長がコージの前のバンド、バーストスレーブのベースの人で「なんだ、コーちゃん出てるんだ?」と気にかけてくれたようだった。ここは初めて初回完売して追加を持っていきました。(といっても5枚だけど)
これで新宿、目黒、横浜、大阪、名古屋は制覇したなと勝手に思い込み(都道府県に1店鋪は置いてもらうが目標)当初の目標である『北を制覇』を達成するべく札幌に飛んだ。
札幌のROCKSの店員の人はいい人だった。ここで5枚置いてもらう。(せっかくサッポロまで来て5枚かいって?いやいや大切なのはそこにCDがあるという現実ですよ)店の人も「よくこの店が解りましたね?」とわざわざ東京から来た事に驚いていた。もちろんサッポロラーメンなどには立ち寄らず帰りました。
DISK UNIONはさすが大きいだけあって、全て本部で審査して、契約書をかわしそれから本部に30枚CDを送った。ここでは、お茶の水、新宿、北浦和、吉祥寺、柏、淵野辺の6店鋪で扱ってもらっている。
これで埼玉と千葉も制覇して1都1府1道4県制覇した事になる。(我ながら情けない制覇という名のショボさ)
ここで感じた事はもっとスタッフがいたらなーという事だった(もっとって今何人いるの?)。でもやるしかないけど。ゆっくりになっちゃうけどね。何せ僕はアーティスとして詩をかき曲を作り、マラソンを走り、月に1回は映画を見なきゃいかんし、夏と冬には旅に出て、と遊びに精神が行っている人ですから。もちろん毎日働いての上でですよ。

このCDを作った時から初めてライブをやる時はCD全部通しでやる!と心に決めていたもんですから、しかも13日の金曜日が最初。7月に行こうと思っていたゴールドコーストマラソンの15万円を注ぎ込んで8月13日の金曜日、記念すべきクリスタルオワナイトの初ライブは行われた。一緒に出たのはマクベスとミザリー。バンドノルマをなしにしてモアイレコードのリスクでやるつもりでいたのだが、ミザリーが一人しか客を呼ばない事には参った。なんといってもマクベスに悪いと思った。ノルマがないから客を呼ばない奴らがいるからライブハウスもノルマをかけざるを得ないんだな〜と逆に理解した。総入場者数は38名、少ない!
これもモアイレコードの力不足だ。ちなみにイベントの名称は「WELCOME TO DARKNESS」

次は11月21日、日曜日いよいよ「G-ROCK」の誕生だ。2ヶ月前には、STILLFIRE,CRISTAL OR NITE,
BADGE-X,ZACO3,EXPLOSIONが決まっていたのだが、EXPLOSIONが1ヶ月を切ってからバンドが解散したので辞めますといってきた。ライブハウスだったら1ヶ月切ったら契約違反でノルマ全額払わされるんだぞ!ったく。ライブハウスも契約書が必要な事を理解した。しかもイカのオヤジの葬式に向かう途中で勘弁してよ。しかしこの難局を小川ちゃんの友達のASHQUASARの参加で乗り切った。逆にレベルが上がって良かったわ!横浜アリーナの小ホールだったので場所は良かったのだが、大きさの割に客は少なかった。が出場バンドの演奏は充実していたと思う。これもモアイレコードの力不足を思い知った。次はもっと宣伝しなければ!でもその為には最低でも3ヶ月前にバンドが決定してる事が大切だが。ちなみに「G-ROCK[HARD/HEAVY]」は93名の入場者でした、少ない!でもスタッフ、出演バンドのみんなありがとう、そして何のメリットもない、タビ企画、山岸造園、勇気造園、スナックポイント等スポンサーの方々、厚く御礼申し上げます。
また次回もよろしく!

しかしおれもバンドマンだけど企画に参加するとバンドを続けていくのは大変だな〜と客観的に思う。今回は¥1、500の30枚で¥45、000のノルマだけどふつうライブハウスはこれくらいかもっと高いと思う。今回地元に根強いファンがいる、CRISTAL OR NITE,MOONLIGHT MAGIC(そういえばZACO3から変わったんだ)を除けば1バンド多くて15枚くらいがやっとだ、つまり半分以上は赤字なんだなこれが。
なんとかノルマの無い(少ないにしておこう)ライブは出来ないもんかね?このままだと良いバンドがどんどん死んでいく。これはバンド側にも責任があるんだが、ただ月1、2でライブこなしてればイイってもんじゃないと思う。ライブハウスは商売だから当然次のライブの予定を入れてくる。それが続いて金が無くなり、少しは客に受けるような方向になっていく。そうするとどのバンド見ても代わり映えしなくなる。悪循環だよこれは。ライブをやって曲が出来たらレコーディングしてデモテープ作るのが主流だけどその頃にはみんな金が無くなってるから、よくレコーディングします!といってそのまま帰ってこないバンドが多いんだ。音源作るなら多少収入になるものを作らないと。タダで配るテープはライブ活動始める前に作っておく事が必要なんじゃないかな?

まっ、回想論からユウジトークばりになっちゃったけど、これからもモアイレコードは独自のスタンスで続けて行こうと思います。2000年代に突入しょうが21世紀になろうがそれは変わりません。なぜなら
「本質は変わらない、ただ見失っているだけだ」だからね!

今後の予定(CRISTAL OR NITE)
[WELCOME TO DARKNESS]2000、10/13(場所未定)
[G-ROCK](年3回程予定)
2000.SUMMER-AUTUMN、レコーディング
2001.1/31[CRISTAL OR NITE 2発売](題名決まってるけどまだ秘密)

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