パアプウロード
第7章 「それぞれの明日」 

その4 3年ぶり



子供のころ
みちくさをして怒られたことはないだろうか?
僕は今、思い出す…
それは怒られたのではなく
心配されていたんだと…

時は1999年12月24日。
クリスマスイブの午後3時を少し回ったところである。
東京は武蔵野市、井ノ頭公園の10メートルほど手前に小さな美容室がある。
店の名前は美容室「クソビビッチ」
「クソビビッチ」は不気味ショップ「ガイコツ」と同じビルの2階で営業していた。
今日は3年前に閉店した美容室「パアプウ」の元メンバーの同窓会&太田のボディビルディング世界第3位を祝ってのパーティが行われるのだった。
パーティ会場は昔。柳田の結婚パーティを行ったDINING & BAR「ジューダス」で開かれる。
「ジューダス」は「クソビビッチ」と同じビルの1階で営業していた。
ちなみに「ガイコツ」は地下である。

店長だった国際的スパイの秋元は、同じく国際的スパイだった妹の松井とこの美容室「クソビビッチ」を開店した。
店の名前、クソビビッチとは松井のロシア時代の名前である。
主任だった近藤も茅ケ崎で美容室「イイヨ」を開店していた。
身体が弱く休みがちだった太田は日本を、いや世界を代表するトップボディビルダーに変身していた。
宮寺は姉の居るニューヨークへ行って動物専門の声優として活躍している。
堀内は実家のある熊本に戻り「パンはありがとう」という名のパン屋を開き、しかも「ありがとうパン」というパンがマスコミにも取り上げられるなど、熊本で知らない人はいないというくらいになっていた。
原は長野のおじいさんのところに遊びに行った時に知りあった、松本市役所勤務の男性とこの秋結ばれたばかりだった。

元パアプウメンバーは3年ぶりに集まるのだった。

そして僕はどのくらい涙を流せばいいのだろう?
そのくらい傷つけば?
だが思いだしてくれ…、
僕らの頬にあたるものは、そよ風…
僕らの真上には遙かなる大空…
初めて買ってもらったオモチャは覚えているが
初めて感じた幸福感は忘れてしまった。
時は巡る、
そしていつでも僕らは、
歩んできた過去と同等以上の人生を目指してきた。
父や母がそうだったように。


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